早稲田サロン

早稲田サロンは年3回程度、土曜又は日曜午後に開催。

会員講師の講演とその後の懇談会形式で、会員相互の親睦を図る。

(リーダー:佐々木 賢治)

 

2024年4月7日(日) 早稲田サロン

「早稲田ビジネススクール設立とその後の発展」

 今回の講師は、早稲田大学ビジネススクール設立の中心人物で長年にわたり日本のビジネス研究の第一人者として活躍された、当会会員の柳孝一先生に「早稲田ビジネススクール設立とその後の発展」についてお話しいただきました。

 柳先生は、昭和39年に早大第一政経学部経済学科を卒業後、日本初の本格的な民間総合シンクタンクである野村総合研究所第一期生として入所後、スタンフォード研究所、経営コンサルティング部部長、主席コンサルタント、多摩大学教授を経て、早大大学院アジア太平洋研究科教授。

 ビジネススクールは、アメリカのほとんどの大学にあるにもかかわらず、日本では、1962年設立の慶応大学(KBS)位しかなかった。早稲田では、システム科学研究所ビジネススクール、大学院アジア太平洋研究科、大学院ファイナンス研究科専門職学位課程国際経営学専攻、ファイナンス研究科を統合し、2016年に現在の早稲田大学ビジネススクール(経営管理研究科)となった。統合にあたっては、大学の研究は、学問に偏りすぎていたことから、調整統合に苦労したことなどをお話し頂きました。

 柳先生の講演後は、参加者17名で懇親会をにぎやかに開催しました。

 

2023年12月16日(土) 早稲田サロン

新聞業界、放送業界裏話

 年末も押し迫った12月16日、逗子駅前NAGISA STYLEで早稲田サロンを開催しました。今回は新聞業界と放送業界OBの会員講師によるエピソードや裏話をお話し頂きました。

 板垣雅夫(昭和40年法卒)さんは、毎日新聞記者時代の警察・検察廻りや政治家への取材など、とりわけ田中角栄元首相のロッキード事件に関わる裏話は他では知ることの出来ない貴重かつ面白いお話でした。何よりも取材先との、またキーマンとの人間関係がスクープの源だというお話には、皆納得したようです。

 飯田恵一(昭和52年法卒)さんは、NHKで人事・採用・研修を長年担当されて、採用の際のやり取り、教育・研修の方法、はたまた今後のAI活用の行方等をお話し頂きました。

 お二人の講演後は、参加者18名で時期も時期、忘年会となり、文化的な集まりから、一転、賑やかなお酒の会に移り、今年のサロンを終えました。

 

2023年3月25日(土) 早稲田サロン

18才人口と大学数」(石崎茂民氏 昭和56商)

「教育の現在地」(坂本和弥氏 昭和60教)

 「ヨット(ディンギー)」(杉本祐次郎氏 平成12商研)

 

 

325日(土)、新宿会館に於いて、早稲田サロンが開催され、16名が参加しました。最初は石崎茂民氏が、18才人口と大学数、学生数、出生率、平均寿命などを解説。坂本和弥氏が教育の移り変わりや教育改革、大学入試制度、スーパーグローバル大学について解説。最後に杉本祐次郎氏が、前回の荒木氏に引き続き、ヨット(ディンギー)について、470級と、12~2月を北風「ならい」、3月~5月を西風「にし」、6月~8月を南風「はえ」、9月~11月を東風「こち」などと用語交えて紹介しました。

 講演終了後は、先頃亡くなられ、早稲田サロンに多大な貢献をされた昭和35年卒の庄司和義氏、中山昴氏並びに瀬野修平氏、武田悠氏、開一明氏への哀悼の意を表し献杯後、着席でビールやチューハイなどを片手に和やかに歓談し、17時に終了しました。

 

2022年10月15日(土) 早稲田サロン

「ヨット部と逗葉稲門会」(荒木孝夫氏 昭和46教)

「早慶戦と東京六大学」(佐々木賢治氏 昭和54政経)

 

 

1015日(土)、新宿会館に於いて、早稲田サロンが開催され、15名が参加しました。前半は荒木孝夫氏が、ヨットが帆走するセーリングの原理を飛行機の翼を例にとって解説。近年のヨット部の活躍と逗葉稲門会との関係をお話しされました。後半は佐々木賢治氏が、明治36年に早稲田から慶応へ送った挑戦状の話から、大正15年に野球の強かった5大学に文部省から要請で東京帝国大学が加わって東京六大学が始まったことや、水原のリンゴ事件などをお話しされました。講演終了後は、着席でビールやチューハイなどを片手に和やかに歓談し、17時に終了しました。

 

2022年3月26日 「鎌倉北条と京都定家」(茶屋二郎氏)

 3月26日(土)、逗子市コミュニティプラザ会議室に於いて、新生・早稲田サロンの第3回目が行われました。今回は初めて外部から講師をお招きし、NHK大河ドラマの時流に合わせて、作家・茶屋二郎氏に「鎌倉北条と京都定家」を論じて頂きました。

 公家目線の「明月記」、武家側の「吾妻鑑」等の記述を中心に、「亀の前」のお話では、ズシ・ハヤマが舞台でした。軍記物の戦や政争というよりも、京都と鎌倉における人間関係、そして文化の香り漂う講演でした。

 先生は玩具会社バンダイの二代目社長で、「おもちゃやの二代目」からペンネームを茶屋二郎と名乗られたそうで、逗子在住の慶応OBです。

 今回は「まん防」他の規制が解除されたことから実施いたしましたが、30名の方々が参加され、久しぶりの稲門会会員の顔合わせとなり、名残り惜しくも終了後解散となりました。(サブリーダー 佐々木賢治)

今回は山本陽張さん(昭43政経)に表記のテーマでお話を伺いました。出席者は10名でした。
山本さんは卒業以来長らく石油産業畑でお仕事をされてきており、日本のみならず世界のエネルギー事情には精通した方です。数年ごとに公の定評ある資料に基づき、世界と国内のエネルギー事情についてのお話をお聞きする機会を与えて頂いています。今回も具体的統計データが記載された資料に基づきお話をお聞きすることができました。(写真参照)
1.世界の一次エネルギー消費量の推移
2.各国の電力化率
3.エネルギーミックスといった電源の最適構成とその推移
4.最近の持続可能エネルギー(太陽光発電 etc..)の導入などなど、多くの実証的データに基づいたエネルギー事情に関する解説により、最も大事なエネルギーに関する知識を得ることができました。
特に、2011年3月11日の「東日本大震災」の影響は現在および将来のエネルギー政策に大きな影響を世界に与えたことがデータに現れており、我々も暖房や冷房はじめ車他、エネルギー消費に関しては無関心ではいられない状況を深く認識いたしました。サロンでの参加者の議論も多方面の観点から侃々諤々、活発に行われました。貴重な資料と深く広いご解説をありがとうございました。

 

2018年9月27日 早稲田サロン 9月例会「東京六大学応援団」 

今回は佐々木賢治さん(昭54政経)に表記のテーマでお話を伺いました。出席者は10名でした。佐々木さんは生粋の早稲田大学応援部 No.2(代表委員・主務)として活躍され、野球を初めとした早稲田スポーツの当時の活躍に大いに貢献されました。2枚目の写真は氏の早慶戦応援風景です。この他、ご講演者が自ら集めた応援部関連の多数の書籍で改めて我々に応援部の成り立ちを教えてくれました。
そもそも応援団(部)のルーツは野球の早慶戦が始まった明治34~35年ごろに遡るようですが、明治35年秋の早慶戦には有名な3-3-7拍子が早稲田の吉岡ノブタカによって音頭を取られ、自然発生的に応援の輪が広がったとのこと。明治37年の日露戦争の始まった年には大隈公のバックアップで早稲田大学野球部が米国西海岸へ遠征し、スタンフォード他、米国有名大学と一戦を交えているそうです。明治39年には早慶3連戦に問題が発生し、第1回戦目には慶応連中が大隈公邸に押しかけ、第2回戦目には早稲田が三田界隈を練り歩き、一触即発の危険を感じて第3回戦は中止になったそうです。そして大正14年までは早慶戦が無くなってしまったとのこと。ちなみにその頃の応援団(部)の連中のなかには相撲部やボクシング部らの猛者(モサ)がたくさん参加していたようです。
大正15年(昭和元年)に神宮球場で再開した早慶戦も、昭和6年には古関裕而の手による「紺碧の空」の大合唱が神宮の森にこだましたそうです。慶応の「若き血」もそのころ出現したのでしょうか? 昭和8年にも不祥事があり、応援団(部)は解散、安倍教授が引責辞任で事を納め、早慶戦だけは存続したそうです。一方、野球以外の早慶戦は応援部を入れない条件で大正11年に再開されています。特にラグビーなどは不祥事の反省もあって声を上げる集団的応援はその後長らく禁止されてきましたが(今も基本的には禁止)、最近はチアリーディングなど愛らしい女性軍団の応援も出現しています。
黎明期にはありがちな高揚が生んだ徒花(あだ花)であったのか、その後は昭和40年の「コンバットマーチ」や昭和51~52年のチアリーディングの出現などテンションアップと同時にマナーも現代的に整備されてきたようです。ちなみに、東大応援部にはその後国会議員になって話題をまいた松島みどり(51年入学)も「女傑?一人でいざ行かん」の意気込みでその長く美しいおみ足を神宮の空高らかに振り上げたとか?? なお、今では応援に欠かせないブラバン(吹奏楽)の参加は昭和27年の第二商学部のトランペットとトロンボーンの演奏がオリジンとのこと。
最後に「応援部に入る動機とは」の質問に「多くの場合、自己顕示欲」とのことでした。

楽しいお話で大いに盛り上がりました。佐々木さん、ありがとうございました。

 

2018年6月28日 6月例会「日本の造船業ヨモヤマ話」 

今回は西村泰治さん(昭34理工・機械)に表記のテーマでお話を伺いました。出席者は7名でした。
西村さんは石川島播磨重工へ入社し暫く工場に勤務したのち、世界各地に各種船の取り扱い指導と国家間などの船舶導入・売り込みに携わって来られました。今回は大型船の話を中心に日本の造船業はもとより世界の造船業の実態や傾向まで、33ページも及ぶ資料を元にお話を伺いました。
それによると、世界を席巻した嘗ての日本の姿はなく、今やそのシェアは5%程度、中国、韓国がダントツで5割以上のシェアを占め、日本はその後塵に甘んじているそうです。
国内に目を転じると斜陽産業と言われて久しい造船ですが、三井も川重も三菱も石播も設計だけは残っているものの、実際、船を造るのは今治造船などむしろ新興の造船所に負けているそうです。なぜかと言うと、三菱重工長崎造船所など旧来の造船所は山が海に迫った狭隘な地形の場所に立地し効率的造船にはロケーションが悪いそうで、今治など埋立地を広々と使える立地のいい後発の造船所が繁盛しているとのことのようです。それでも潜水艦など高度技術を必要とする艦船は未だに三菱重工、川重、富士重工、三井造船などの老舗の技術が生かされているとのこと。また、かつてより日本の艦船の船籍はパナマやリベリアが多かったようですが、未だ変わらず、船乗りもフィリピン人が多く乗り込んでいるようです。これを「便宜置籍船」というそうです。
かつて若かりし頃、テレビ会議システムの見学に行った際に説明いただいたベテランの案内者から、「タンカーはつまらない、戦艦づくりが面白い」と冗談めかしに聞いた ❝本音❞ を思い出し、三菱重工長崎造船所などは香焼島で戦艦大和?でも作らなければ役に立たない造船所なのかなぁとも感じた次第です。
なお、今回新たに、新入会員の佐々木さん(昭54政経)が参加されました。

 

2018年5月24日  5月例会「お酒にまつわるよもやま話」 

今回は高山恵太朗さん(昭41政経)に表記のテーマでお話を伺いました。出席者は11名でした。
高山さんは関西にて雑誌社を起こし、今では立派なカラー写真豊富な「樽」という月刊誌を発行されておられます。そのため、毎週のように関西と関東を往復しておられるそうです。
お話は古今東西お酒にまつわる話の大盛りで、早くも酔いが回ってしまい、なかなかいい記録が出来なかったことをお詫びいたします。
ビール(男性名詞)の地中海〜ベルギー〜イギリス〜ドイツへといった起源、日本酒の神様起源のお神酒、ワイン(女性名詞)は一番発酵が易しいなど、また、紹興酒やハルピンのお酒など中国のお酒、馬乳酒などモンゴルのお酒も今はヤク酒だそうです。日本酒の蔵(造り酒屋)も、その昔全国で6千蔵もあったのが現在では1200蔵だそうです。女性を入れなかった「蔵」、すなわち、「とうじ」も最近では女性も多く、その分、女性の蔵はきれいだそうです。イスラムは酒を飲まないことは常識でしたが、その代わりがハッシシなどの麻薬であることは認識していませんでした。ウイスキーは➀アイリッシュ ②スコッチ ③バーボン ④カナディアン ⑤日本はニッカの「余市」とサントリーの「響」だそうです。日本の起源はマッサンの竹鶴酒造とのこと(注:リタさんは晩年を逗子で過ごしています)。
いずれにしても、85%が水である酒(日本酒)は、水が大事、水が命だそうです。

この後、酒にまつわる精神論?講義が続きましたが、とてもついていけませんでしたので、どうぞ、写真をご覧になってその神髄をご想像ください。幅広い、奥深いお話をありがとうございました。

  

2018年4月26日  早稲田サロン 4月例会「東国・鎌倉の 慶派・運慶の仏像」 

今回は遠藤和延さん(昭51法)に表記のテーマでお話を伺いました。出席者は9名でした。
表題にあるように話の力点は、慶派・運慶-快慶-湛慶のようでしたが、この分野に疎い私には、仏像の「尊格」から始まって奈良や天平の昔から見るもの聞くもの目新しいお話でした。
如来-菩薩-明王-天、そして、大日如来、阿弥陀如来、薬師如来、地蔵菩薩、弥勒菩薩、観音菩薩、不動明王、毘沙門天他、個々には聞いたことのある名前ではありましたが、遠藤さんのお話で、それらが有機的に繋がりました。
すなわち、仏像と仏師、その仏像がどこのお寺に、何世紀の何時代にどこの影響を受けた様式やお顔で、それを命じたパトロンは誰かまで、歴史の奥深さと興味深さを感じさせてくれるお話でした。仏像の鮮明な写真は元より、仏師の系譜や年表など多彩な情報を織り交ぜたご説明は、これがご専門なのではと思わせさせられるほどでした。
これ以上、内容のお話はできませんが、出席者は皆様、大日如来のような満足したお顔でお帰りになりました。遠藤さん、貴重なお話をありがとうございました。感謝!!

 

 

2018年3月22日  早稲田サロン3月例会「日本の城」 

今回は村松邦彦さん(昭40政経)に表記のテーマでお話を伺いました。出席者は9名でした。

図表1に示すレジメに沿ってのお話でしたが、まずは城の成り立ちから入門しました。それによると、初めは戦国時代の山城から始まったようです。そのような城が戦国時代は1万を超えたようです。そして、初めに石垣のある城を作ったのが信長とのこと。石垣と天守閣を備えた城は優美で、それ故か最近の城ブームは女性ファンが多いそうです。

個々の城についての詳しいお話に移りましたが、浅学の私にはとても追いつけない程の多岐にわたる固有名詞が出てきました。たとえば、名古屋城を始めとした名城も江戸以前には十二を数えたそうですが、そのうちの五城が国宝(松本城、犬山城、彦根城、松江城他)、重文は七城だそうです。丸岡城、または、犬山城が最古とのこと。その他、名前が挙がった城は、宇和島城、松山城、丸亀城、高知城、弘前城、大野城(天空の城)他、とても追いつけない数でした。特に記憶にあるのが松本城。この城は、元は深志城と言ったそうです。いわゆる、総がまえの城で、町を全部囲むような城の造りであったようです。江戸城もこれを真似たそうです。

この他、松江城や姫路城(世界遺産第一号)他、城の名前と一緒に村松さんの口から飛び出す、城にまつわる諸々のお話は堰を切った湯水のごとくでした。

そんな、まつわる話の中で印象に残ったのが、その道の殿様の七十二手。その半分が戦場(陣屋)での“中締め”、そして最後に城に戻ってからが、ゆっくり“本番”とのことでした。私も齢古希にして初めてその語源を知った次第です。

まだまだ書き切れませんが、村松先輩、ありがとうございました。

 

 2018年2月22日  早稲田サロン2月例会「逗子・葉山の津波ハザードマップ、土砂ハザードマップ改訂版配布と地震対策傾向/自動車走行の電動化とエンジン等変革の世界動向」 

今回は高梨滋雄さん(昭39理工)に表記のテーマでお話を伺いました。出席者は9名でした。
まず、ここ数十年の間には東南海地震が70%の確率で到来するだろうと言われており、7年前(2011年)の東日本大震災の傷も未だ癒えない今日この頃ですが、今回は時宜を得た話題を提供していただきました。
以下の資料を取り寄せていただき、懇切丁寧に読み方などの解説をして頂きました。
その後、出席者それぞれの自宅の地形などを前提に活発な意見交換を行い、身に迫った意見交換が行われました。
1 逗子市 津波ハザードマップ
2 逗子市 土佐災害等ハザードマップ
3 葉山町 津波ハザードマップ
4 葉山町 土佐災害ハザードマップ
5 神奈川県 基準水位見直し資料(抜粋)
6 小坪地区 避難通路の一部変更について
なお、これらのハザードマップは、それぞれ、逗子市役所と葉山町役場に行けば頂けるそうです。皆様、是非、目を通しておきましょう。

次に、今話題の EV(電気自動車)を中心に、HV(ハイブリッド)、PHV(プラグイン・ハイブリッド)、FCV(燃料電池車)などの将来展望を、現行のガソリン車やディーゼル車との比較において解説していただきました。
7 日経.COMなどの抜粋記事
本課題に関しては、それぞれの専門領域の会員から、様々な意見が百出し、活発な意見交換となりました。今後とも自動車輸出など経済活動は元より、環境問題や資源枯渇問題など多岐にわたる我々子孫に影響を及ぼす問題だけに、繰り返しの議論が必要に感じられました。
余談的話題として、中国を中心として東アジア地図を提示し、日本を中心にして見た中国大陸を含む東アジア地図との認識の違いを地政学的観点から参考提示して頂きました。
8 中国を中心にして見た東アジア地図

 

 

2017年11月30日 早稲田サロン11月例会 「早明戦・箱根駅伝を占う」

今回は庄司和義さん(昭和35政経)に12月3日に行われる「ラグビー早明戦」、中山昂(たかし)さん(昭和35教育)に来春2~3日に行われる「箱根駅伝」について占っていただきました。
庄司さんによれば、今年の早明戦予想は“勝つと思う(願望)”でした。ここ数年、対抗戦グループでは帝京大学が抜き出ており、今シーズンも帝京についで早稲田は1敗で2位につけています。明治は2敗しているため、勝ち取り表では明治より上ですが、明治の選手個々の力は相当なものがあり、一般予想では明治圧勝とのこと。しかしながら、明治の愚直なラグビーに対して、早稲田のフォワードが当たり負けず、相手を前で止め相手の連携を断てれば、チームスキルを持った早稲田ラグビーのチームプレーが勝利をもたらすことも夢ではないと気合を入れました。
箱根駅伝に関しては、例年のように?出雲、②伊勢路、などの詳細な資料を基に、中山さんのお人柄あふれるお話をお聞きすることができました。優勝争いの筆頭は、ここのところ順調に記録を伸ばしている、青山学院大学、ついで、東海大学、そして伊勢路で優勝した神奈川大学が3本の指に入るとのこと。第二集団は、東洋、駒大などのシード校が続き、早稲田は順大の後背の9位ぐらいかとやや控えめな予想でした。しかしながら、当日の気温などの温度変化が天候状態によっては大きく選手に影響を与えるため、環境に強い早稲田が上位に浮上してくる可能性も大いにありそうです。
 いずれにしても年の瀬とともに、早稲田スポーツも正念場を迎えつつあります。皆様、応援しましょう!!

 

 

2017年10月26日 10月例会「これからはロボットはこんなことが出来る」

今回は藤江正克さん(昭46工研)に「これからはロボットはこんなことが出来る」と題してお話を伺いました。出席者は11名でした。
ロボット博士こと、藤江さんの冒頭のお話は氏のルーツでした。それによるとお父様はベルリンオリンピックの三段跳びで準優勝(銀メダル)を取った方とのこと。会が終わった後、お名前をお聞きすると「原田」さんでした。家に帰ってネットで調べると、「原田正夫」氏で、同じ京都帝大陸上部の田島直人氏が優勝(金メダル)で、日本人が金銀を分け合ったことになります。⇒原田正夫
(私もこの話は、ベルリンオリンピックで西田修平氏(早大理工)と大江季雄(慶応)が棒高跳びの死闘後時間切れで、2位と3位になるも、後で銀メダルと銅メダルを半分ずつ分け合った美談と一緒にNHKで見たことを思い出しました)⇒西田修平
さて、こんなことで私としてはこの話をずっと続けてほしかったのですが(失礼)、本題のロボットの話に移りました。
 70枚余りのプレゼンにより、日本で初めてロボット研究を開始した早稲田大学の歴史、その後の日本は元より世界のロボットの進化のお話他、オーバーオールのロボット学についてお伺いすることができました。特に、日立時代の原発制御から早稲田大学に戻ってからの医療へのロボット応用など、内外の最新事情をお伺いする幸せに浴しました。研究内容についてはとても解説できる能力を持ち合わせていませんので、是非、ピックアップしたプレゼンから、どうぞ、ご想像ください。なお、氏は未だ、学会他多方面の委員などを歴任して、現役に近いご生活を送られているそうです。貴重なお話をありがとうございました。

 

 

2017年9月28日 早稲田サロン9月例会「水素社会の課題」

9月28日(木)に新会員の熊谷さんを加えて9名で早稲田サロンを実施しました。

今回は「水素社会は果たして来るのか」副題を〜持続可能性の観点から〜 として講師に早稲田サロンサブリーダーの矢田健一さんをお迎えして、久し振りに学理的で詳細な水素社会にまつわる講演を頂いた。
詳細な水素に拘わる多数の教材をもとに、昨今実用化に自動車会社がチャレンジ発売もし始めた例があり、地球環境に優しい大気汚染を起さない点を謳い文句に、政府の大きな補助金を受けられて購入者には便が良い。
講師が配布した多数頁の教材は、水素理解のバイブルとして今後も利用できる。水素を多量エネルギー源にできるかの問題点は多方面に及び今後もフォローが必要と思われます。

 

 

2017年6月23日 早稲田サロン6月例会 「外国人技能実習制度の概要と現状について」

今回は戸名仁さん(昭50商)に「外国人技能実習制度の概要と現状について」と題してお話を伺いました。出席者は9名でした。
お話しの内容は、氏が現在役員として携わっている監理会社を通じて得られた、主に東南アジアからの外国人技能実習生の受け入れについての制度とその実態に関するものです。外国人技能実習制度は今から約35年前にスタートしたそうですが、実習制度で来日した人は、現在、約17万人にも達しており、その他で来日した107万人も入れた総数の15%に及んでいるそうです。実習期間は3年間または5年間で、仕事の内訳は74職種、134作業に区分けされているとのことです。また、このような仕事を斡旋する監理会社は全国で2000社にも及ぶとのことで、すべて労働厚生省の認可の下に、公益社団法人などとして運営されているそうです。
この制度の主旨は、日本で数年(3年または5年)の技能実習により各種の技術・技能を習得(体得)してもらい、出身国に帰国後、リーダー的存在となって活躍してもらうところにあります。当初の実習生は中国関係が多かったようですが、その後はフィリピン、インドネシア、タイ、ベトナムなど東南アジア全般に広がってきているようです。行く行くはわが国で補えないような優秀な外国人人材を求めていくとのことですが、現在は一部脱法行為も見られ、玉石混交の状態にもあるようです。
ヨーロッパに難民や移民が押し寄せている現在、めったに聞くことのなかった、このような確かな人材育成制度と厳格な入国管理制度を堅持することで、明確な国際貢献の足場となっていると感じました。また、身近なところにも外国から働きに来ている現状も含め、大いに議論が盛り上がりました。

 

 

2017年5月25日 早稲田サロン5月例会 「中米キューバ国事情」

今回は武田悠さん(昭40商)に「中米キューバ国事情」と題してお話を伺いました。出席者は8名でした。

お話しの内容は、シンクタンク会社勤務中から海外経験、特にブラジル滞在を筆頭に中南米事情に詳しい武田さんが、米国の前庭とも言われるカリブ海に浮かぶ共産国「キューバ」についてご紹介くださいました。

北海道の1.3倍の国土に大阪府のこれまた1.3倍の人口を有するキューバは、149210月にコロンブスの第一次航海で発見された土地(島)でした。1892年にはホセ・マルティがキューバ革命党を結成し、宗主国のスペイン軍と戦ったそうです。1902年にはキューバ共和国が成立したものの、バティスタ政権下では実質的にアメリカ資本による支配が進み、貧富の差が解消されず半植民地の状態であったようです。1959年、ご存じのカストロ革命が起こり、教育と医療が無料という現在の社会主義国「キューバ共和国」が誕生したそうです。1962年のキューバ危機などその後のアメリカとの軋轢は記憶に新しいところです。

日本との関係については、キューバ在住の日系人1300人と、ブラジル在住日系人160万人と比べると雲泥の差のようです。

観光立国である当地には、アメリカン航空などに乗り、アメリカやカナダ経由で入国できるようですが、キューバ国民に対しては医療が無料である反面、外国からの渡航者に対する保険はもちろんの事ありませんから、必ず医療(損害)保険に入っておく必要があるそうです。

カストロ-ゲバラと進んだ社会主義革命も依然、貧富の差は残したままのようですが、一方で、それをそのまま受け入れ生活を楽しむ、おおらかな国民性も感じられるようです。そしてヘミングウェイ(アメリカ人)の三部作「武器よさらば」 「誰がために鐘はなる」 「老人と海」も舞台はキューバとのことでした。

 

 

2017年4月27日 4月例会「富・所得の格差-世界はどう変わるか?-どう対処するか?」

今回は横山禎夫さん(昭34法)に「富・所得の格差-世界はどう変わるか?-どう対処するか?」と題してお話を伺いました。出席者は14名(会員:12名、ゲスト:2名)でした。特に今回は逗葉立教会の松田会長と秋谷副会長にもゲストとして同席頂きました。立教会では今後同様なサロンを開きたいというご希望があるそうです。
さて、内容は大手プラント会社を定年退職後、労働者派遣会社を逗子周辺で営んでいらっしゃるご経験などから、「富・所得の格差」が拡大している現状を踏まえて、様々な角度からの問題提起をしていただきました。「格差」という大いに現在性を持つ身近な問題だけに活発な意見の交換が交わされました。なお、横山さんからピケティの分厚い本「21世紀の資本論」と有楽町駅前映画館で上映中の貧困にめげずストラグルする若者を扱った「わたしはダニエル・ブレイク」が紹介されました。
以下、議論したキーワードを羅列します。
・ポピュリズム ・トランプとプアホワイト ・トランプは蛮勇を振うか(振るえるか) ・子供が生まれない ・結婚できない ・貧困の連鎖 ・イギリスのEU離脱 ・通貨の共通化の易不易 ・ピケティ旋風「21世紀の資本論」とジニ係数 ・所得税はいつできたか ・消費税は知らないうちに導入されていた ・岩崎弥太郎はなぜ金持ちになったか ・格差が縮小したのは2回ある(第1次と第2次世界大戦時) ・累進課税率の低下が格差を拡大 ・バルサックの「ゴリオじいさん」 ・富が富を生む ・所得の格差と人口問題 ・移民は限度を超えているか ・イスラムが大問題 ・資本主義のしっぺ返し ・イデオロギー問題は健在か ・失業保険制度が変わった

 

 

2017年3月23日 早稲田サロン3月例会 「横須賀線よもやまばなし」

今回は遠藤和延さん(昭51法)に「横須賀線 よもやまばなし」と題してお話を伺いました。出席者は12名でした。内容は自ら「鉄っちゃん、特に乗り鉄」を自負する遠藤さんに、横須賀線の歴史を中心に鉄道の基礎知識から今後の首都圏の鉄道延伸・相互乗り入れまで解説していただきました。目次は以下です。
1.「鉄」に関する基礎知識(成分分析と分類)
2.スカ線の歴史「四文字熟語」
3.スカ線は省電・国電のエリートだった
4.スカ線にまつわるエトセトラ
5.<参考>おすすめ車窓風景・おすすめ列車など
・・・・・今年4月1日でJR発足30周年
子供の頃、いや物心着く前から乗っている人、職場の関係で逗子・葉山に移り住んだ人、そして逗子・葉山を終の棲家として住み着いた人まで、それぞれが「自分自身の横須賀線」をお持ちのようで質問が百発しました。それでもさすが「鉄っちゃん」を自負する遠藤さんからは、臆することのない百中の答弁?をすらすらといただきました。誠にいい勉強会でした。ありがとうございました。

 

 

2017年2月23日 早稲田サロン2月例会「出版業界の今昔」

2月23日恒例の第四木曜日に逗子新宿会館で夕刻5時半から3カ月振りに12名で村松邦彦さんに講師になって頂き早稲田サロンを実施しました。
テーマは出版業界の今昔でした。
主婦の友を経営されていた約30年前から今日のインターネット(IOT)時代までを見ていて業界の変化以上に私達読者の側、特に若い年齢層が昭和時代に比べて様変りした感がある。
人間は頭を鍛えるのに聞く、話す、読む、書くの4点を小さい時から実施するのが必要と言われ、近時欠け始めたこれらが見直される傾向があり、やがて復活が望まれます。
大小1600社ある業界で出す書籍は年間7〜8万点もあるがミリオンセラーは数点である。大手に伍して婦人生活に的を絞った勤務先は10番手程度にある。
講師が会長をしていた時期もある日本雑誌協会と日本書籍教会で国内すべてを観ていた。我々の年代も引き続き書籍に親しむ習慣を維持したいものである。

 

 

2016年11月24日 早稲田サロン11月例会 「早明戦・箱根駅伝を占う」

早慶戦(11月23日)
早慶戦(11月23日)

今回は庄司和義さん(昭和35政経)に12月4日に行われる「ラグビー早明戦」、中山昂(たかし)さん(昭和35教育)に来春2~3日に行われる「箱根駅伝」について占っていただきました。
今年のラグビー部の戦力は今一歩のここ数年に比べると期待される新人が多く入部して上向きの様相を呈しているそうですが、反面、1年生が半数近くに及ぶ試合もあり、リーダーシップなど含めチームとしての安定性に欠けるといった過渡的側面も見られるようです。12月4日は他の試合とは違い、早明双方にとってどちらに転ぶか予想が付かないのが本音とのこと。
箱根駅伝に関しては、例年のように1出雲、2伊勢路、などの詳細な資料を基に選手に与える温度変化など経験した人でなくてはわからない機微に触れる説明がありました。11月6日に行われた全日本大学駅伝(伊勢路)では、トップを維持してきたアンカーが抜かれて青山学院大学に優勝をさらわれました。青学の選手個々の強さもさることながら個性の強い原監督の話にも及びました。今年の予想は以下のようです。1青山学院、2東海、3山梨学院、4早稲田、5駒沢、6東洋。果たして雪辱なるや否や。
・写真説明 1~3:早慶戦(11月23日) 4~6:全日本大学駅伝(11月6日、伊勢路)

早慶戦(11月23日)
早慶戦(11月23日)
全日本大学駅伝(11月6日、伊勢路)
全日本大学駅伝(11月6日、伊勢路)
全日本大学駅伝(11月6日、伊勢路)
全日本大学駅伝(11月6日、伊勢路)
早慶戦(11月23日)
早慶戦(11月23日)
全日本大学駅伝(11月6日、伊勢路)
全日本大学駅伝(11月6日、伊勢路)

 

 

2016年10月27日 早稲田サロン10月例会 「耐震建築の話」

今回は八木野敏明さん(昭和48理工・建築)に主に「耐震建築の話」を中心にお話を伺いました。
内容は去る7月28日に実施した熊本地震に関連した話題で、地震は不可避なことから耐震性など建築物について詳しい解説を専門家から受けることとなりました。出席者は9名で投影写真や図を使って講演して頂きました。 
第一部は耐震リフォームの要点、第二部は以前に話題となった横浜杭打ち工事データ偽装について説明を受けました。
我々の年代の者は新たに新築したり集合住宅に入居し直すことは少ないので、講師は建物のリフォームの要点を中心にお話し下さったが、家族やお知り合いの方の新築には今回の要点を知って良い助言ができると思われます。また、横浜の集合住宅が傾いた問題には専門家ならではのコスト低減らしき手抜き工事があり得ることを知っておくと大変役立つと感じました。補足的な情報として、逗子や葉山の我々の周辺にも軟弱地盤を思わせる名前の土地(沼間、池子など)が数多く存在していることも気づかされました。

2016年9月22日 早稲田サロン9月例会「ロッキード事件と日本社会」

9月22日秋分の日に実施のサロンは7月より加わった板垣雅夫さんが講師役。テーマはロッキード事件と日本社会である。祝日にも拘らず15名が参加した。
氏は昭和40年以来毎日新聞記者として活躍され、昭和51年早々にはアメリカのSEC(証券取引委員会)の企業規律調査結果を通信社のUPIが公表した内容が日本に伝わり賄賂性が強く大騒ぎとなった。
長年月に亘る日本での裁判沙汰は時の田中角栄首相の逮捕そして逝去までの20年近い追及に合わせた記者生活のご苦労と業績内容を一気にかいつまんで講演された。今迄の題目と違って我々聞く方は予備知識を要した。
マスコミ界にあって取材活動には独特の工夫を要し、当時の国内には古いしきたりが残り義理人情が強かった。夜討ち朝駆けが日常茶飯ながら捜査関係にもおられた早大先輩との打ち解けたお付き合いには随分と助けられもした。内容は各種出版物にもある通り結局は首相の逝去で防衛産業、対潜哨戒機絡みのより大きな資金の使途と人物は不明のまま終わったが、この長い期間の捜査をきっかけに日本の社会は劇的に変化しきれいになった。
今後再び言論や法律、正義、倫理を無視する時代が来ないことを強く願うばかりである。

2016年7月28日 早稲田サロン7月例会 「地震の話」

今回は高梨滋雄さん(昭和39理工)に「地震の話」と題して、3.11(2011年)東日本大地震、そして直近(今年)の熊本地震の現状を踏まえて、プレートテクニクスなど地震の原理から三浦半島の活断層までオーバーオールの「地震の話」を伺いました。会員13名が出席しました。
それによると、まず大きな地震がなぜ起きるかについてはプレートテクニクス理論がそのもとになっており、特に日本列島付近では4つのプレート、すなわち、1.北米プレート、2.ユーラシアプレート、3.太平洋プレート、4.フィリピンプレートが相互に潜り込む構造の端の部分のトラフ(溝)付近の歪(ひずみ)が一気に開放された際の振動エネルギーが陸地まで伝わってくるのが定説になっているそぅです。また、内陸部においても、火山活動やその他の地球の運動が地下の岩盤から地表まで断層を発生させ、その際のエネルギーの放出が振動となって地表面で地震を発生させているそうです。特に数十万年前以降、繰り返し地震を発生させている断層を「活断層」と呼び、付近の住民や施設に注意を促している状況のようです。
私たちが住む、逗子・葉山を含む三浦半島にも活断層が相模湾側から東京湾側へと走っており、その実体がわかる「三浦半島断層群活断層図」を配られました。それによると葉山町の場合は、10本の活断層が見つかっており、いつ地震が発生してもおかしくない状態とのことでした。
地震の予知はなかなか進まず、難しい課題を多く含んだ問題ですが、地震発生後の私たちの対処の仕方も含めて会員からも多くの意見が出され、活発なサロンとなりました。

2016年4月28日 早稲田サロン4月例会

 今回は野際基実さん(昭和43工研)に「韓国よもやま話」と題して、最近までお仕事をされていた韓国の歴史や気候風土から産業、韓国の皆様の普段の暮らしぶりまでお話をして頂きました。会員15名が出席しました。
それによると、多くの大陸からの文化が朝鮮半島を経て日本に渡来したことや、長い歴史の中で日本との関係も親密になったり離反したりと隣国であるが故の諸々の関係性があったようです。気候風土も緯度が近い反面、海洋に囲まれた日本とは異なる大陸性気候が反映されて降雨量が少ないとのお話でした。山野もこれらの気候・気象学的影響を受けたせいか、標高が低い山が多いけれども余り木々が少ないようでした。
この点に関しては、焼畑農業など文化面にも関わる人為的な要因もありそうに感じました。特に「人種」に関しては、DNAの中で人種に関係する「Gm遺伝子」が日本人と韓国人で類似している一方、インドシナからインドネシアに連なる東南アジア方面の南方系の遺伝子とは異なることが印象的でした。言葉も多くの類似した言葉があり、さらに文法は90%同じであるとのことでした。
産業に関しては、野際さんも関係していたサムスン電子を筆頭とするIT産業が興隆を極めているようですが、上位10社と他社との格差はかなり大きいとのことでした。そのような厳しい状況も反映してか、日本と同様、韓国でも受験戦争や就職(就活)戦争などが激しいそうで、「競争社会でWIN-WINなど本当なのか」とお話を伺いながら、他人事ではない日本の若い人たちの将来について思いを致した次第です。
お話はこの他、ここには書き切れないほどの情報量(データ量)を含んだプレゼン資料でご説明くださいました。野際さんのお人柄を表すサロンとなりました。

2016年3月24日 3月例会:山本陽張さん・石油を取り巻く話題3つ

今回は山本陽張さん(昭和43政経)に「石油を取り巻く話題3つ」と題して、(1)ガソリンと自動車、(2)原油価格の動向、(3)石油元売会社の再編の観点から、その動向などを示すグラフなどを多用し、わかり易くご説明をしていただきました。
それによると、自動車保有台数の伸びはやや伸び率が落ちて来てはいるものの、相変わらず伸びており、その中でも軽自動車の伸びが著しく、ついで輸入車が伸びているようです。ハイブリッド車(HV、PHV)や電気自動車(EV)も絶対量はまだガソリン車に対抗できない反面、その伸び率は対数的(イクスポーネンシャル)増加をしているようです。
生産国別原油価格やその埋蔵量(可採年数など)もグラフで表示され、オイルショックやリーマンショックなど過去の経済動向との類推が容易に行える資料でした。また、オイルシェールとシェールガスやシェールオイルとの概念説明や世界における埋蔵量(確定埋蔵量、推定埋蔵量など)の分布地図などの資料も示され、今後の石油関連燃料供給量の見通しなどを示されました。
石油元売会社の再編に関しても、その複雑な経緯・動向が相互に推移する関連が表された線図資料でご説明され、新しい名前の石油会社の由来などを垣間見ることができました。基幹エネルギーの石油会社の再編問題は国をまたがる経済界、産業界の動向とも無縁ではない一方、一般の我々にはあまり認識し難い事項でもあることから、この分野に詳しい山本さんのご解説は大いに勉強になりました。
この後、質疑応答に入り、世界経済はもとより、機械、電気、電子、化学などそれぞれの得意分野からの車のエンジンに至るまでの質問が多数出て、お酒のボルテージと同期(動機?)して質問と答えのボリュームも最大レンジに達しました。やはり、野人の声は大きいと再認識した次第です。

2016年2月25日 2月例会-世界の大学ランキングのお話

 今回は橋本宥司さん(昭和34理工)に「日本の大学が全世界の諸校の中にあって当年度はどの順位にあるのか」を中心に話題を提供していただきました。
 昨年10月1日英国教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)の最新発表によると、今年の「世界大学ランキング」で、東京大は43位(昨年23位)と大きく順位を落とし、26位のシンガポール国立大(同25位)にアジアの首位の座を明け渡したそうです。42位の北京大(同48位)にも抜かれたそうです。国内2位の京都大も88位と昨年の59位から大きく順位を下げたそうです。昨年かろうじて100番台だった国内3位の東工大や他国立大も200番台以下とどこか宇宙のかなたに姿を消したそうです。昨年400位圏外だった早稲田大や慶応大などは況や・・・をやで、ケータイ圏外よりもっと通信不可状態なのかもしれません?
 この評価・選定基準は以下だそうです。

世界の大学ランキングの評価基準(指標)

 

評価基準             スコア配分

教育・学習環境            30点

国際的な見通し・教授陣と学生の質   7.5点

産業へ与える利益・革新性       2.5点

研究・ボリューム/収益性/評価    30点

論文の引用度合い           30点

多少救われたのは、今年の1月20日の日経夕刊に載った、有能な人材を持つ力を国ごとに評価した2015~16年版の「世界人材競争力指数」で、日本は調査対象103カ国のうち19位だった点です。人材を生み出す力では「競争の厳しさ」や「技術の活用」が世界1位と高評価だった反面、人材を引き寄せる魅力には乏しく、「外国人労働者」が75位、「男女の収入格差」は76位だったそうです。これとて橋本さんのお心遣いの情報選択であろうと思われますが、日本の教育環境は先進国の中では未だ厳しい状況に置かれていることは紛れもない事実のように感じます。
 ややアルコールが回ってくるころには、評価スケールの妥当性はあるか、どこ(の国の誰)がこの評価をしているのか、英語教育はいつからすべきか、英語ができればいいのか、言葉は文化ではないのか、などなど意見は真っ向から二分三分する喧々諤々の議論になりました。皆様のお顔やお言葉からは、「早稲田に入るときは確か100番以内に入っていたはずなのだが・・・」といった思いも感じられたことは穿ちすぎでしょうか。この日もこぞの浜は波静かでした。謝謝

 

2015年11月26日 早稲田サロン 1.早明戦 2.箱根駅伝の勝利を期待して

今月は表記のテーマで、例年恒例の早明戦(12月6日(日))と箱根駅伝(正月2~3日)の戦績予想を、それぞれ、庄司和義さん(昭35、政経)と中山昴さん(昭35、教育)にお願いいたしました。
 庄司さんからは、23日の早慶戦に逆転勝利したものの、すでに帝京大と筑波大に2敗している今期は、早明戦もいばらの道であるとの厳しいお話がありました。早慶戦では、ワールドカップから戻った藤田(ウィング)や2トライを上げた岡田主将(13番)らを含めて調子を上げて来てはいるものの、ボールに自分から走りこんで取りに行かずに待ってもらうなど、基本中の基本プレーのまずさが目についたあたりが不安材料とのお話でした。なお、対抗戦の順位に関しては、明治に勝てば2位、負ければ5位になる模様。
 中山さんの箱根駅伝予想については、例年通り4ページにわたる詳細なご説明がありました。箱根を占う「出雲大学選抜駅伝」と「伊勢全日本大学駅伝選手権」では、早稲田は、それぞれ、6位と4位に入りましたが、いずれの大会も、青山学院大学、山梨学院大学、駒沢大学、東洋大学、東海大学が早稲田を含めて上位を占めているとのこと。特に青学の場合には、昨年の山登りの神として名を馳せた「神野」が怪我から復帰しており、他の強力メンバーと原監督の采配によっては2連覇の可能性も高いようです。したがって、今年の予想順位の上位5校には、青山学院、東洋大学、駒沢大学、東海大学、そして早稲田大学が入るのではとの予想でした。
 果たして早稲田が勝利の美酒に酔う秘策は有りやなしや?

2015年10月22日 10月例会

西村さん・タイ王国滞在記
今回は東南アジアなど海外で多くのお仕事をされた西村泰治会員(S34理工)に『タイ王国(ほほえみの国)滞在記』をお話していただきました。参加者10名は、なかなか体験できないお話に熱心に耳を傾けました。
氏はIHI(石川島播磨工業)入社後、専門の機械技術の開発・移転などで、タイは元より、インドネシア、中東などに滞在いたしました。この間、ODAやJAICAと関連する仕事で多くの機械関連システムの現地導入などに携わられたそうです。特にタイでは、タイ王国金属機械加工研究所設立プロジェクトの日本側技術責任者として中心的な役割を担われたと同時に、“いつものんびり”といった気質のタイ人スタッフを相手に諸々のご苦労をされたようです。
お話は小乗仏教が大まかな共通ベースのインドシナ各国の中にあっても、比較的政治経済が安定しているタイが戦後の日本企業の海外進出拠点として有利であったこと。しかしながら自動化した工業はよいが、手工業には大雑把なタイ人気質が合わないなどなど、その国々のローカリティをわきまえないとうまくいかないとのお話でした。また、インドネシアも含めて東南アジア全般に言えることのようですが、タイでは中国人(華僑)との混血が半数程度に及び、政治はタイ人、経済は華僑が動かしているそうです。
また、文化・生活面に関しても多くのご体験をお話してくださいました。暖かい気候に恵まれ、“のんびり”、“ゆったり”、「ほほえみの国タイ」ならではの気質の中にも、男性の場合、一生のうち一度は出家して修行を積まなければならないといった、彼らなりの規律・秩序があることを聴き安堵しました。詳細は省略しますので、写真をご参照ください。

2015年9月24日 9月例会

 今回は田中英雄会員(S35商学)に『リットン調査団報告と国際連盟脱退を考える』と題して、主に日本が大陸侵攻と太平洋戦争に至るまでのお話をしていただきました。14名の会員が出席しました。
 お話の骨格は主に以下の流れに沿うものでした。敏感な議題だけに報告は以下のキーワードに留めます。
(1)「外国勢の中国侵略」と「清朝崩壊」

(2)「満州事変」へ動いた「日本の社会事情」 

(3)「柳条湖事変」は「軍部の独断専行」 

(4)「満州国皇帝 愛新覚羅溥儀」を担ぐ 

(5)「リットン調査団報告」 

(6)「国際連盟脱退」と「松岡洋右外相演説」 

(7)「言論統制」と「メディアの進軍ラッパ」 

(8)「時流に媚びない賢人たち」
 いろいろ質問や議論が活発に行われました。
時代は西欧諸国によるアジアの植民地化の時代でもあるとともに、多くのアジアの国々がその軛から逃れんとしている時代でもありました。その一つが「アヘン戦争」でした。暗い時代の話だけに気がめいりそうにもなりましたが、最後に「時流に媚びない賢人たち」として、以下の3名の方々をごl紹介くださいました。
 その筆頭が、「満州を放棄せよ」と警鐘をならした早稲田の先輩・石橋湛山。その次が帝国議会で「反軍演説」を行った、やはり早稲田の前身の東京専門学校を卒業した斎藤隆夫。そして、ドレスに口紅を手放さず、軍歌を歌うのを拒否した、淡谷のり子でした。戦後生まれの私たちも、あのどこからともわからない澄んだソプラノと低く響く低音に酔いしれたものでした。

2015年6月26日 6月例会

今回は諏訪秀則会員(S52理研)に『真空の世界』についてのお話をしていただきました。

諏訪秀則先生は応用物理学科・修士課程を終了後、一貫して真空技術関連の仕事に従事され、数年前までは日本真空工業会会長としてご活躍されたことは元より、世界の真空技術の発展にも多大なご貢献をされました。

本日の講演は、(1)「真空の基礎理論」、(2)「真空の利用」と概念分けされ、余りなじみのない話題をわかり易くご講義していただきました。先生を含め、8名の会員が参加しました。

基礎理論では、マスの中の粒々のポンチ絵とmbar.~Pa(パスカル)、はたまた、pV=nRT (ボイル・シャルル?)といった図が連続し、これは行けるぞと思った瞬間、次の「平均自由行程」と話が移ったときには学部で習った記憶が遠く去りゆくさみしさを感じました。

しかしながら、やがてお話が「真空の利用」になり、真空(技術)というものがこれほど身近なものとしてわれわれの生活にとって、無くてはならないものであることを再認識させられました。すなわち、LSIなど半導体(技術)が現代高度技術社会の『米』と言われていると同様、真空(技術)が『小麦?』と言っても過言でないのではと感じた次第です。この基礎的(材料)技術分野でも日本が世界市場に占める割合は非常に高いことを知りました。

余談:お話が終わり、私が「真空地帯」しか知らなかったと余計なことをつぶやくと、隣にお座りになっていた古賀さんが「野間宏ね・・・」と言ってくださったので、余計なことを言ってよかったと胸をなでおろしました。

2015年5月28日 早稲田サロン5月例会を開催

ベンチャー経営論および企業革新論(副題:「私の進取の精神」) 柳孝一会員

今回はベンチャー企業の開発や発展に関し長年に亘り、業界のご指導をされて来られた元早大大学院教授の柳 孝一先生が近時サロン会員に加わってくださいましたので表記の題目で講師をお願いたしました。平井市長はじめベンチャー気質の精鋭会員?15名が参加しました。

先生は東京オリンピックの年(1964)ご卒業と同時に野村総研(NRI)に入社し、社内ベンチャーを手始めに民間ベンチャー企業立ち上げの現場に立ち会い、その後、スタンフォード(大学)研究所(SRI)に派遣留学しました。帰国後も経営コンサルタントの社内マネージメントを行うなどこの分野の指導的役割を演じましたが、その後、多摩大学教授に転出され、「ベンチャー経営論」の理論研究に移りました。その間に『マネジメント・ルネサンス・経営革新プロセスとスキーマチェンジ』を著されました。

サロンでの先生のご講義および参加した精鋭会員?の一字一句をここで解説することは、私のIQを超越していますので省略させていただきますが、以下、記憶の片隅に残ったご講義の残照(キーワード)を記載しますのでご参照ください(順不同)。

「早大初の独立型大学院アジア太平洋研究科」「奥島総長」「多摩大学クラーク学長」「イノベーション」「創造的破壊」「中小企業論」「ベンチャー企業」「創造的破壊と矛盾のマネジメント」「高い志」「社会に何かで貢献する」「成長のエネルギー」「弁証法的矛盾」「矛盾をエネルギー」「ベンチャー経営論の真髄」「アントレプレナー(起業家)」「新規性、さらに社会性、独立性、普遍性」「常に進化」「構造的アプローチ⇒四(よん)面体論」「成長ステージ別アプローチ⇒ベンチャーマネジメント変革理論」「変態(の理論)」「同一生命体は大きく変態する」「そこにリスクあり」「実体調査から極限まで簡素化⇒変態(の理論)」「矛盾を止揚(アウフヘーベン)する(される)」

①弁証法的矛盾によって新しいメガトレンドが発生。
②内的矛盾による問題意識力と外的矛盾によるイノベーションが、創造的破壊を誘発し、ベンチャー企業誕生のきっかけになる。
③(矛盾の中に生まれた)ベンチャー企業は、「正-反-合ループ」による矛盾のエネルギーで成長する。

この後、進取の精神論も加え、いつものように活発な質疑応答および議論が二次会まで続きました。

2015年4月23日 早稲田サロン4月例会を開催

1. 「葉山郷土史本紹介」:山梨崇仁町長
2. 「長柄桜山古墳を考える」:滝本誠一氏(41商)
3. 「ヤマトタケル東征の道」:松元岑生先生

4月度早稲田サロンは葉山にまつわる郷土史を中心に、表記の三名の講師をお招きして新宿会館2F(二部屋使用)にいつもの倍近い23名が集合して開催されました。
まず、初めに「葉山町の歴史とくらし」と題してこの一月に発行された葉山町町制90周年記念誌を葉山町の山梨崇仁町長がご紹介くださいました。この本(1,500円)は逗子葉山全書店にあります。
次にご講演くださったのは会員の滝本誠一氏(41商)で、「長柄桜山古墳を考える」と題し、長柄の第一古墳と第二古墳の成り立ちを中心に、出土する土器などから桜山・葉山長柄周辺に住んでいたであろう豪族が大和朝廷と関連の深い人物ではなかっただろうかといった推論までご自分が常任メンバーとして研鑚を積んでいる葉山郷土史研究会の研究成果をお話くださいました。
三番目は初代葉山図書館長を務められた松元岑生先生です。先生は80歳を超えていらっしゃると思われるご高齢ながらその語り口は矍鑠として、その昔の古東海道など律令時代に日本の屋台骨を縦貫したであろう古道の一つとして語り継がれている「ヤマトタケル東征の道」について、先生の独自のお考えも含めてご解説くださいました。それによると、相模湾側から東京湾に至る山越えの出発点に当たる逗子・葉山地区はその東征の道の重要拠点のようで、その昔の上総国(千葉県南部)の木更津へ渡る場所が従来、弟橘媛(おとたちばなひめ)で有名な走り水であったか否か、船越を船を引っ張って越えて浦郷や長浦港隣の箱崎(吾妻崎(島))ではなかったかといったいくつかの古代史をめぐる推論があることをご紹介くださった。
いずれのお話も日本の歴史ロマンをめぐる我々会員の興味が尽きない事柄だけに、20数名の参加者はお酒をいただくこともそこそこに聞き入りました。また、それぞれご自分の長年の経験から、多岐にわたるご質問がなされ、先生方も丁寧にご解説くださいました。

2015年3月26日 早稲田サロン3月例会を開催

 3月度の早稲田サロンを26日(木)に参加者14名で開催しました。
今回は現役時代に業務でしばしばイスラム圏の諸国に出張を重ね、最近も旅行で訪れた、武田 悠さんに講師をお願いしました。
テーマは「イスラムとは」について広く研鑽読書調査を加えてのお話しと図解や勢力地図を交えての解説はやや難しい点もありましたが、かなり理解できた感があります。

イスラム教は7世紀にマホメットによって布教開始以来の比較的新しい一神教であり、ヨーロッパの同じく一神教のキリスト教諸国に対抗してきた歴史と、イスラム圏内での分派や教義の違いから最近ではイスラム国・IS問題までも起こして来ている背景など勉強になりました。

2015年2月26日 早稲田サロン2月例会を開催

2月のサロンは26日に14名の参加者で開催しました。
今回は西村泰治さんに講師役をお願いし、重工業会社の勤務時代から定年前後までに、政府の賠償インフラ設備
処理に始まり重機械の国産化技術指導などで2年以上の滞在や度々出張を重ねたインドネシアを解説頂きました。
特に要人の多くのご家族に関連する結婚式やパーティー等での南国の衣装や生地の染め方、日常生活の風習などを詳細に伺うことができ、親日的な同国が観光旅行先と人気上昇中なことが理解できました。

2014年以前の記事は、こちら をご覧ください。